問い直す力とは
AIが答えを速く出す時代に必要なのは、その答えをそのまま信じない力です。根拠・前提・出典を確かめ、自分の頭で判断し直す——それが「問い直す力」です。これは、クリティカル・シンキング(批判的思考)と呼ばれる広い考え方の、中核にある働きにあたります(このドキュメントでは、その中心を切り出して「問い直す力」と呼んでいます)。
「疑う」ではなく「確かめる」
問い直す力は、何でもかんでも疑ってかかる態度ではありません。疑い続けるのは疲れるし、前に進めません。必要なのは、確かめる手順を一つ持っておくことです。
- 全部を検証しなくていい。怪しい一点にだけ問いを当てる。
- 相手を論破するためではなく、自分が鵜呑みにしないためにやる。
- 答えが正しいと分かれば、安心して使えばいい。
流暢さ ≠ 正しさ
AIの文章は、よどみなく、自信ありげに書かれています。人間はその流暢さを「正しさ」と取り違えやすい。クリシンクエストの嘘が手強いのは、まさにこのもっともらしさを突いてくるからです。
だから見るべきは、文章の滑らかさではなく中身です。
- その主張の根拠は何か。
- どんな前提の上で成り立っているか。
- 出典は確認できるか、それともぼかされているか。
3つの問いの起点
迷ったら、この3つに立ち返ってください。型図鑑で扱う9つの嘘も、結局はこのどれかに穴があります。
- 根拠:なぜそう言えるのか?(証拠はあるか)
- 前提:それは何を当たり前としているのか?(条件は今も有効か)
- 出典:誰が・いつ・どこで言ったのか?(たどれるか)
次のページでは、この3つの起点を実際に投げられる問いの形に落とし込みます。